売却コラム

2020/03/23【コラム】相続のトラブル事例Part②

現金預金はありますか?
相続税を支払う現金
相続財産が相続税の非課税枠内でも相続税を払うケースがあります。
仮に相続財産が 5000万円で、長女が実家(相続税評価額 3,000万円)のみを相続した場合を考えてみます。

5000万円の財産に対して相続税の計算をおこない、そのうちの 3000万円の割合に対して相続税を納税することになります。すると、現金を相続していないため相続税は自分の貯蓄から支払うことになります。
遺産分割協議の中てや、お母さまの介護をしてきたことやその際の出費や生活費の負担など、いろいろと自分の想いを伝えて何とか実家を相続できたとしても、相続税を納められないトラブルに遭遇することがあります。相続しても今と何も変わらない生活を送る場合にも、実家を自分の所有財産にすることの意味は大きく、相続税の支払いをしなければならなくなります。
相続税は、現金で納めなければなりません。よって、相続する財産が現金では無い場合には、相続税の納税をどうするか想定をしておく必要があります。相続税の納税期間は亡くなられた日の翌日から 10ヶ月ですのでその間に相続税の支払いをするための現金の準備が必要となります。
相続が発生してから 10ヶ月以内に相続税相当分の現金が必要ですが、いきなり準備をすることは困難です。いざという時のために現金を準備しておく、ご両親や兄弟と生前から相続税の支払いについて話をしておくことが大切です。


配偶者居住権は知っていますか?
「配偶者居住権」とは、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身または一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法律の権利」てす。
分かりやすい例でいうと、夫が亡くなった時に妻が一緒に住んでいた「夫名義の家」については、最長で妻が亡くなるまでの間、妻にその家を使用する権利を法律で認めるということです。
妻に配偶者居住権が相続され、長男には「負担付所有権(自宅の評価から「配偶者居住権」を引いた差額)」が相続された場合、長男は「自宅に住めない」にも関わらず、相続税を支払う可能性があります。


代償金を支払う現金
不動産を誰か1人だけが相続することになると、その人が他の相続人に対して代償金を支払わなければならないことがあります。
不動産の相続をする場合、不動産は通常高額なので、1人だけが相続するとその人の取り分が大きくなりすぎて、他の相続人との間で不均衡が起こってしまうことが多いからです。
この代償金について争いが生じることも多くあります。
たとえば、相続財産として 3000万円の不動産と 600万円の預貯金があり、相続人は長男、次男、三男の 3人というケースを考えてみましょう。
この場合、もともとの法定相続分は、 3人ともそれぞれ 1,200万円ずつ (3分の1)です。しかし、長男が 3,000万円の不動産を相続して、次男と三男が 300万円ずつ預貯金を相続するとなると、長男の取り分が他の 2人よりも 2700万円も高くなって、かなり不公平になっていることがわかります。
この不公平を解消するためには、不動産を相続する人が代償金を他の相続人に支払わなければいけません。長男が弟 2人にそれぞれ代償金として900万円払えば、長男の取り分は 3,000万円ー 1,800万円
=1,200万円、次男と三男の取り分はそれぞれ 300万円十900万円=1,200万円で、公平になります。
ところが、そもそも代償金の金額をいくらにするかということも当然争いの原因になりますし、長男がこの代償金の支払をしない(できない)ことで問題が発生するケースも多いです。
また、その不動産が実家・自宅であり、長男がもともと親と同居していてその不動産に居住している場合などには、長男が相続出来ないと住居を失ってしまうことにもなりかねず、大きな問題になります。
このように、不動産の遺産相続があると、代償金に関連したトラブルがよく発生します。


遺留分は知っていますか?
父が死亡。相続人は、母と長男と長女。公正証書遺言で「遺産は、すべて母に相続させる」とあリ、遺産は父名義の自宅土地・建物(母が居住、時価 3,000万円)だけというケースがあったとします。
この場合は、父は公正証書遺言を残しているので、父の遺産は原則として、遺言に定められた方法に従って相続されることになります。つまり、父の遺産はすべて母が受け取ることになります。
一方、一定の相続人には、最低限の遺産を貰い受ける権利(「遺留分侵害額請求権」といいます)があり、この事例で言うと、長男と長女には遺留分侵害額請求権(この場合は法定相続分の 1/4。それぞれが 3,000万円×1/2×1/4×1/2=375万円を受取る権利)があります。
母が、生前、父の面倒を良く見ていた場合などで、他の相続人(長男、長女)も、母が父の遺産をすべて相続することに納得している場合には、特に問題ありません。
しかしながら、この事例の場合、長男と長女は何ももらえないことになります。父が、長男と長女の意向も間いたうえで遺言書を作成していた場合は別として、長男と長女が遺言の内容を知らない場合で、このような遺言が発見された場合には、長男と長女は不満に思うかもしれません。
そこてで、長男や長女は、その不満を解消するために、遺留分侵害額請求権を行使することになります。そうなると、母は遺留分相当額(この場合、各 375万円分)を長男と長女に分与しなければなりません。母に分与するだけの現金があれば別ですが、現金がない場合(もしくは相続した現金が少額の場合)、不動産を売却せざるを得ない事態も。このように、財産が不動産しかない場合には、遺留分相当の財産をどのように分割するかについて問題が生じるのです。


どの評価額で分けますか
そもそも誰が相続するか、代償金がいくらになるかを決めるため、不動産の評価方法でもめることが非常に多いです。不動産の価格はある程度変動するため、いつの時点を基準にするかで価格が変わりますし、同じ時期でも評価方法によって評価額が変わってしまうためです。
評価方法には実勢価格や相続税路線価、固定資産税評価、路線価など色々な方式があります。また、実勢価格についても、査定を依頼する業者によって数百万円以上の差額が発生してくることもあります。
不動産を取得する人は、代償金を安くするためにも不動産の評価を低くしたいと考えますし、不動産を取得しない人は、なるべく不動産の評価額を高くした方が代償金の金額が上がるので、高額の評価をしようとします。すると、お互いの意見がかみ合わず、トラブルになります。
不動産の評価額が変わるということは、遺産の価値自体が変わるとも言えるのです。



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